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数列を睨むおっさん。

by gogomon

電車で隣のおっさんが手書きの数字の羅列とにらめっこしている。
おそらく競馬の予想なのではないかとおもう。
その数列以外に、にじみ出るそこはかとない迫力があった。

恥ずかしいことに、僕はギャンブルの教養が全くない。
この年になって、競馬や麻雀、競輪、競艇、オートレース、パチンコ、カジノなどまったく縁がない。
いや、ナイロビのカジノは少しだけ勝ったことがあるけれど、あれもビギナーズラックというやつで、自分の力ではない。勝たせてもらったんだろう。

ギャンブルを運だという人がいるけれど、それは違うことくらいはわかる。
あれは高度な技術とタイミングと度胸の世界だ。そんな世界を知らぬのに、ギャンブルは運だけと馬鹿にするのはよくないとは思いつつ、ついぞギャンブルに手を出すこともなく人生も半ばを過ぎた。
しょうもない男である。
身を滅ぼすほどの熱狂をしてみたいものであるが、生涯かなわぬだろう。

一方、隣のおっさん(初老)は、技、時、心をもって、この年まで身を滅ぼすことなく、ギャンブルをやっておられるわけで、しかも自作の表など用いて絶えず研究するとは、たいした御仁だ……と、おっさんをみると、『地球の歩き方 フィリピン編』を読んでいる。

なんという行動力だろう。
南方まで博打をしに行くのですか(競馬はあるのかな?)。
いや、ギャンブラーということは、飲み屋の姐さんを連れて遊びに行くのかもしれない。

非常に感心しておると、こんどはカバンから「英語入門」の本を取り出した。

こんにちは HALLO! ってそこからか!

フィリピンでつつがなく、コミュニケーションを取るために、英語の勉強をしているのである。
嗚呼、人生毎日が勉強だと頭が下がった。

競馬で買った金でフィリピンパブのお姉ちゃんと遊びに行くのだろうか。
なんかようわからんけど、おっさんの身の上には楽しいことが起きてるんだと思った。


gogomon
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