LOG IN

トルコのカフェでおっさんと。

by gogomon

アテネオリンピック前の頃だからずいぶん昔の話だ。
イスタンブールのネットカフェでメールをチェックしていた。

夜遅くだったからか雰囲気がとても悪かった。
客は男性だけだし、煙草吸ってるし、暗いし、俺をみんなにらむ。
とっととメールの返事をして帰ろうと思っていた。
ふと隣のPCを見ると、おっさんは出会い系のサイトを見ていた。
そのおっさんと目が合うと、おっさんはブツブツ言って奥の席に移動した。奥で太ったおっさんとなんだか話している。俺を指さすのが見えた。俺の話をしているようだった。嫌な予感がした。帰る用意をしていると、男たちがやってきた。奥に来いという。

カモン、プリーズ。

なになになんなの。
ネットカフェのおっさんたちが全員俺を見る。

促されて奥の席に行くと、ものすごく悪そうなおっさんがいて、PCを指さした。

日本のアダルトサイトだった。

動画を見るには日本語を読み解いて、そこに打てば閲覧できるのだという。
当時はまだGoogle翻訳などなかったので、わからなかったんだろう。

よんごーさんななと書かれていた(Windows95のおかげで、文字化けせずに読めるようになっていた)ので、4537と打つと、アダルト動画が流れた。

おっさんたちは「おおおお!」とつぶやいて画面を見つめている。

「こっちもいいか」「つぎは俺だ」「マイフレンド、ここにも来てくれ」。
俺はおっさんたちのアダルト動画のパスワードを打って席を回った。

「お前はこれからずっとネットの使用料は無料だ」とオーナーらしき男に言われて肩をたたかれた。
ものすごい位の低いVIPになってしまっていた。

「滞在中、ずっと来てくれ、友よ」

面倒くさいので、それから行かなかったけれど、翌日もおっさんたちは俺を待っていたのかもしれない。
ごめんね、おっさんたち。


gogomon
OTHER SNAPS